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あ と が き


 お待たせいたしました。
 オリジナル短編ホラー小説「悪意の教室」をお届けします。これにて完結!
 な〜んて、胸張って言えませんわ(苦笑)。元々、7月の終わり頃に読みきりとして一挙更新のはずだったのに、小出しになるわ、完結は遅れるわで……。もう、9月も半ばですよ!(笑) 夏だからホラーにしたのに、最近はすっかり秋めいてきまして(苦笑)。
 本書は、映画『学校の怪談』シリーズをイメージしていたので、小学五年生という主人公たちになりました。あの映画、結構、少年少女の初恋なども絡めた描き方がしてあって、好きなんですよ。ただ、難点はやはり子供映画というくくりのせいか、怖いホラーであるはずが、最後には必ず「イイ話」で終わってしまうところで、もっと陰惨な物語でもいいんじゃないかと、常々、考えておりました。そこでこのような形になったのですが……ちょっと、これも別の意味で失敗した気がします(苦笑)。
 反省点の一つは、幽霊よりも生きている人間の方が怖いってところ(笑)。これは一つの真理であるのかも知れませんが、執筆時に目指していたのは「どこまで幽霊が書けるか」であって、それ以上のインパクトを人間の方が持ってしまうと、存在感が薄れていまいます。これは昨年に書いた同じホラーの「鏡の中の女」にも言えていて、今回はそれを踏まえたつもりだったのですが、これでこの課題は来年に持ち越しです(笑)。進歩がないですね。
 そして、反省点の二つ目は、主人公たちが年齢の割に大人びていること。これなら中学生で設定した方が良かったですかね? ほのかな恋心を加えようと思ったら、ついアダルトな路線へと走り出しそうになってしまい、小学五年生に戻すのに苦労させられました(爆)。それでもまだ戻りきっていない気がします。執筆中、何度も「これをシリーズ物にして主人公たちの成長した姿を描いたらラクなのでは?」という誘惑に駆られたのですが、これ一本だけにしておきましょう。今回の体験はハードすぎる気がします(自分で書いておいてなんですが)。
 余談ですが、五年三組というクラスには思い入れがあって、昔、「五年三組魔法組」というテレビドラマがやっていました(う〜ん、歳がバレるぞ)。これは五年三組の男女数名のグループ(何人いたっけ?)が、魔女からもらった魔法の七つ道具を使って冒険をしたり、事件を解決したりするという番組で、その夢のある設定に幼い私は目を輝かせたものです(笑)。のちに私は実生活でも五年三組で過ごすことになり、魔女から魔法の七つ道具をもらえる日を待ちこがれていました。もちろん、入手できませんでしたけどね(笑)。ですから、私にとっては小学五年生と言えば、「五年三組魔法組」なんです。きっと今後も作品中に小学五年生が出るときは「五年三組」になることでしょう。
 というわけで、とりあえず本作は完結しましたが、問題は次回作ですね。もう、一ヶ月に一本の読み切りは無理だと判明しました(苦笑)。いつ、どんな作品になるかは分かりませんが、なるべく早いうちにお目にかかりたいと思います。
 では。

2002年9月16日 RED


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