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あ と が き


 お待たせしました。
 オリジナル短編小説「彼女が来る夏」をお届けします。
 やはり夏と言うことで、青春ラブ・ストーリーを書いてみました。内容はかなりスタンダードになっていると思います。いつもいつも、ひねった内容ばかり書いていると、たまにはこんな話も書いてみたくなるのです。読者も意外性で楽しむこともあれば、先読みした通りの展開にほくそ笑む快感というのがあるはず(少なくとも私が読者のときにはあるんだけど)。今回は後者で楽しんでいただこうと思ったわけですが、いかがでしたでしょうか? え? 微妙にひねっている?(苦笑) 作者自身はそんなことないと思っているんですけど(笑)。
 本作にはサーフィンの場面が多く登場します。もっとも、私はやったことがないので、すべて想像の産物。作中の用語だけはサーフィンのHPを参考にさせていただいたので、多分、間違っていないとは思いますが、描写がどこまで忠実か自信が持てません(苦笑)。もし、経験者の方でお読みいただき、これはおかしいと感じましたら、小説用BBS「読書感想文」へ書き込みしてくださいませ。作品の内容を大きく変更するわけにもいないので、必ずとは言い切れませんが、細かな修正、並びに後日の参考にさせていただきます。
 サーフィンを知らないなら書くんじゃない、という声もあるかと思います。でも、小説は想像で書くものだと、私は思います。もちろん、経験があれば、よりリアルなものは書けるでしょう。でも、それには限界があります。例えば、主人公が拳銃に撃たれるシーンを書くとしましょう。その激痛は、想像で書くしかないと思います。それともリアルさを追求して、本物の鉛玉を喰らってみますか? 私はまっぴらごめんです。異世界ファンタジーを書けば、地球上には存在しない架空の怪物を登場させることもあるでしょう。見たこともないドラゴンをどう描写するか、これも想像力を働かせるしかないのです。
 経験や取材も大切だと思いますが、ノンフィクションとは違うのですから、作者が想像力の翼を拡げることこそ大事だと私は考えます。そして、今度は読者が読みながら想像力を働かせる。ここで読者が本物だと感じてくれれば、作者としては成功だと思います。
 私が今回、あえてサーフィンを題材にしたのも、他のオンライン小説を検索してみて、意外とサーフィンを扱った作品がなかったから。「夏=海=サーフィン」って、定番のように思うけど、実は思ったほど多くない。やっぱり、やったことがないと分からないので、敬遠したくなる題材なのでしょう。でも、あえて定番である作品を読んでみたいという人は多いんじゃないでしょうか。ちょっと生意気ですが、それなら私が書いてやろうとチャレンジしてみました。自分が書いていて楽しいのが一番ですが、誰かに読んでもらう以上、読者を楽しませようという意識も必要だと言いたいですね。

2003年8月4日 RED


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