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あ と が き

 ここに読み切り短編「ロミオとジュリエットは結ばれるのか?」をお届けします。
 本作は、突発性競作企画第15弾『世界の名言』の参加作品として書き下ろしたものです。こういう企画に参加するのは、実に二年ぶりですね(前回は、番外編競作企画第二弾「禁じられた言葉」に参加した「吟遊詩人ウィル・許されざるもの」でした。よろしかったら、そちらもお楽しみください)。
 たまたまネットであちこちを巡り歩いていて、偶然に立ち寄ったのが「突発性競作企画」のサイトでした。随時、いろいろなテーマが掲げられていて、なかなか面白そうな感じ。このところ連載ばかりで読み切りを書いてなかったし、腕試し的な感覚で参加してみようと思い立ちました。
 さて、一番締め切りが近いテーマはというと──なぬっ、8月31日!? 翌日じゃありませんか!(爆) そう、参加を思い立ったのは、つい昨日のことなのです(苦笑)。それがこの『世界の名言』でした(苦笑)。
 というわけで、わずか一日しかないにも関わらず、無謀にもチャレンジ!(笑) 我ながらムチャしたなあと思います(笑)。安全に次のテーマから取りかかればいいものを……。気分はすっかり、8月31日に夏休みの宿題を必死に片づける小学生ですね(爆)。
 しかし、思い立ったが吉日。間に合うかどうかは別にして、とにかく取り組むことにしました。
 それにしても課題であるテーマが『世界の名言』とは……。学のない私でも、多少は有名どころを頭に思い浮かべましたが、それをまた小説にするとなると話は別。とにかく、締め切りは翌日なのですから。
 いろいろと考えているうちに、『世界の名言』を“偉人の言葉”として捉えず、有名な作品のセリフから抜き出せないかなあと、裏ワザ的なことを思いつき始めました。例えば、ウルトラセブンの最終回で、ダンがアンヌに正体を明かすシーン。

「西の空に明けの明星が輝く時、一つの光が宇宙へ向かって飛んでいく。それが僕なんだよ」(笑)

 それは冗談としても、有名なセリフってのは結構ある。もう一度、企画の概要を読み直してみると、「名作系も可」とあったので、じゃあ、それで行こうと決めました。
 さて、次は何を作品に使うか。どうせ名セリフを使うなら、誰にでも出典が分かるものがいい。そこで思いついたのが、本作の冒頭部。

「ああ、ロミオ、ロミオ! あなたはどうしてロミオなの?」

 まあ、和訳によって細かい部分は変わってくるでしょうが、これが『ロミオとジュリエット』のセリフであることは誰もが知っているでしょう(どういう場面でのセリフかは、ひとまず置いといて)。
 そのシェイクスピア作『ロミオとジュリエット』を劇中劇として使い、高校演劇部を舞台にしたラブコメにして──と、こねくり回して出来たのが、本作であります。
 長くならないよう、登場人物を絞りに絞り(たった三人!)、やや展開を急がせた感も否めませんが、まあ、たった一日で書き上げた割には、そこそこまとまったんじゃないでしょうか?(やや自画自賛が入っていますね) あとは読者様の審判を待ちたいと思います。
 また次の機会には、別の企画にもチャレンジしてみたいですね。そのときは、「締め切りまで、あと1日」というようなことがないようにしたいですけど(苦笑)。

2006年8月31日 RED


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