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あ と が き

 お待たせしました。
 不定期連載小説「WILD BLOOD」の第12話「ゴエモンの逆襲」をお届けします。
 紆余曲折あり、とにかく今は、「やっと終わった」という感じです。あー、長かった。苦しかった。もう何度、「やめちゃおうか」と思ったことか。
 こんなに執筆中につらかった作品は初めてかも知れません。いや、まさか、「WILD BLOOD」で、そんな体験をするとは。このシリーズはいつもノリで書いているのですが、今回ばかりはなぜかノリ切れませんでした。作品にも、そういった部分が出てしまっているかも。少し時間を置いて、冷静に作品を見つめ直し、必要であれば修正を加えるつもりです。でも、今は無理かな。しばらくの猶予をください。
 なぜ、こんなことになってしまったのか。自分でもよく分かりません。あらかたのプロット通りに進めたつもりですし、つまずくなんてことは、連載開始当初、思いもしませんでした。
 強いて言えば、今年の夏はとても暑かった、ということくらいでしょうか。暑さは思考能力を奪います。特に私の場合、その度合いが顕著。涼しくなった今も、思考の鈍さが残っている感じがします。
 なにはともあれ、どうにかラストまで書き終えました。
 今回は新キャラ二名が登場(さらにおまけの二名も)。筆者の言い訳よりも、そのことについて触れておきましょう。
 《秘密結社 悪の科学同好会》を結成し、死んだゴエモンを改造した田隈太志。以前から、ある日、突然、悪の組織の首領になってしまった平凡な高校生の話を構想していたのですが、それをサディストで妄想癖のある人物として味付けしました。これからもアキトに怪人を送り込んでいくのではないでしょうか。まあ、シリーズ全体からすれば、理事長の玉石梓や毒島カレンに比べ、彼など小悪党に過ぎないかもしれませんが(苦笑)。
 そして、その太志に献身的な姿勢を見せる早乙女蜂子。もう苗字から察している読者もいると思いますが、第10話「KILL BLOOD」にて、アキトの兄、影人の同僚として登場した早乙女詩織の妹です。姉に似て、胸が大きいところがボインと──いや、ポイントですね(爆)。姉がまともなのに対し、妹はマゾという特異な性格づけ。二人が共演するシーンを書くのが、今から楽しみです。
 さて、次回ですが、いろいろと準備をする必要があるので、少し間を置くこととなるでしょう。とにかく第13話は、第4話、第5話以上に、琳昭館高校を巻き込んだ大事件へと発展する予定。よって、久々にアキトたちのシリアスが見られるはずです。
 少しだけヒントを与えておきますと、本書で理事長がカレンに話していた新しい転校生が物語の中心になります。無論、あの“彼”のことですよ。アキトやつかさは、最強の敵を迎えるでしょう。乞う、ご期待!
 それでは、また次回の「WILD BLOOD」をお楽しみに。そのときは私も本調子を取り戻していると思いますから。

2007年10月5日 RED


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