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追跡者<CHASER>

#13.そして、夏が終わる


 眼前に迫る魔の手!
 カンナはとっさに顔の前で腕を交差し、体を沈ませた。
「!」
 間一髪、男の腕は頭上をかすめていた。交差したカンナの腕に、相手の腕がブロックされた格好だ。
 カンナはそこから逆襲に転じた。伸びきった相手の腕に体重が乗っていることを察知するや、まず左手で男の腕を取った。そして、身体を反転させつつ、そのまま肩に担ぎ上げる!
「やっ!」
 気合いを込め、カンナは一本背負いの要領で男を投げ飛ばした。
 男は自らのスピードが仇となり、簡単に宙を舞った。
 本来なら投げ飛ばす際、相手の腕はつかんだままだが、今、カンナに襲いかかってきたのは常人ではない。少しでもダメージを与えようと、つかんだ手は離した。よって、男はまともに廊下の壁に叩きつけられた。
「まだまだっ!」
 カンナはトドメを刺すため、男に向けてS&Wショーティー40を発砲した。廊下に轟く銃声。
 が──
 目の前の光景をすぐには解釈できなかった。
 男は壁に叩きつけられ、床に転がったというのに、カンナが銃を向ける間に態勢を取り戻していたのだ。一射目を立ち上がりながらかわした男は、二射目を撃つ前にカンナの左側に回り込んでいた。
「このぉ!」
 半ば勘で発砲を続けるカンナ。だが、手応えがない。外れだ。
 再び男の手が伸びてくるのを視界の左隅で捉えた。
「させるもんですか!」
 カンナは思い切り右に跳んだ。男の手が空振る。カンナは空中で引き金を引いた。
 カチッ
 弾切れ!
 カンナの強運もここまでかと思われた。廊下に身体を叩きつけ、一瞬、息が詰まる。眼前には覆い被さるように襲ってくる“シーヴァリス”に身を売った男。
 だが、カンナに諦めという言葉はない。倒れた姿勢のまま、スカートがめくれあがるのもいとわず、脚を男に向けた。その先にはカンナの凶器の一つ、ピン・ヒールが。
「ぐああああっ!」
 これには男も避けようがなかった。腹部にピン・ヒールが突き刺さる。男は野獣のような絶叫を上げた。
「カンナーっ!」
 鹿島がその巨体を揺らしながら、廊下を走ってきた。カンナたちの格闘の騒ぎを聞きつけて、ようやく場所を特定できたらしい。
「鹿島、マガジン!」
 カンナは男の腹部からピン・ヒールを引き抜くのに手間取りながら、鹿島に叫んだ。
 S&Wショーティー40の予備弾倉は、バックアップ・パートナーの鹿島に預けていた。それは邪魔な予備弾倉を身につけると、見事なボディ・ラインが崩れるという、カンナらしい理由からなのだが。
 鹿島はズボンの腰に挟んでいた予備弾倉をつかむと、カンナに放った。カンナはどうしても抜けないピン・ヒールを諦めて靴ごと脱ぐと、弾倉をナイス・キャッチした。男から離れつつ、手早く弾倉をセットする。
「往生しなさいよッ!」
 カンナは男に向けて連射した。
 だが、男の驚異的な運動能力と化け物じみた体力は底なしだった。至近距離にも関わらず、横転しながら銃弾をかわし、再び立ち上がる。次には大きく後方へ跳んでいた。そっちには──
「城戸倉さん、逃げて!」
 まだそこには殿村の銃弾を浴びた圭祐と、それに付き添うように抱きしめている香里がいた。男の狙いは香里の中にいる“ディアブロ”だ。
「これで形勢逆転だ!」
 男は香里の身体を圭祐から引き離すようにすると、後ろから抱きすくめるようにした。舌なめずりをし、好色そうな顔つきになる。屋外プールのときは冷酷ながらも紳士的姿勢を崩さなかった男だが、今は“シーヴァリス”に影響されたのか、人間性が欠落しているようだった。香里は怯えきっている。
 香里を盾にされ、カンナは手出しできなかった。
「私にもお嬢さんくらいの娘がいるのだが……こんなにも若い娘がいいと思ったこともなかった……まったく、うまそうだよ、お嬢さん」
「い……いや……」
「安心したまえ、私の興味はキミの肉体よりも、その中にいるものなのだから」
 男の手が香里の下腹部を撫で回した。事情を知らぬ者が見れば、好色なオッサンのセクハラか何かにしか思えないが、ここで香里の下腹部を突き破って“ディアブロ”を引きずり出されれば、母体である香里も無事では済まなくなる。もし、香里の下腹部が破られた場合、カンナは容赦なく撃つつもりだった。“シーヴァリス”に“ディアブロ”を取り込ませるわけにはいかない。もし、そんなことになれば、敵は益々、手強くなるのだ。
「くっくっく……このようなゾクゾクする感覚! 最初から私が“シーヴァリス”としてキミに近づくんだったな! なんという甘美さ! なんという興奮だ!」
 男は涎を垂れ流さんばかりに愉悦に浸っている。もう手段は残されていないのか。
「そろそろ、頂こうとするか」
 男の手がスカートをたくし上げた。
「ああっ……」
 香里が目を閉じた。
 カンナの指がS&Wショーティー40の引き金にかかる。
 突如、香里の足下に横たわっていた圭祐が動き出した。最後の力を振り絞って、香里を助けようと言うのか。
「死に損ないが!」
 男は重傷の圭祐を明らかに侮っていた。だから、男の脚に圭祐がすがりついてきたとき、振りほどこうともしなかった。
「か、香里に……手出しは……させな……い……」
 圭祐は腕を目一杯伸ばして、男の腹部に刺さったままのピン・ヒールをつかんだ。そして、そこで力尽きたかのように倒れる。だが、ピン・ヒールはしっかりとつかんだまま!
「ギャアアアアッ!」
 男は絶叫をほとばしらせた。圭祐によって引かれたピン・ヒールは、男の腹部を縦に引き裂いていたのである!
 痛みに暴れる男。その拍子に腕から香里が開放される。その隙をカンナは逃さなかった。
「こっのォォォッ!」
 三連射! 全弾命中!
 男はのけぞって後ろに二、三歩下がり、壁にもたれてずるずると尻餅をついた。
「鹿島! 城戸倉さんを!」
 駆けつけたばかりの鹿島に命令し、香里を男から引き離す。香里の無事を確認すると、カンナは男にトドメを刺すべく、眉間に狙いを定めた。
 だが、男は戦意を喪失したわけではなかった。ダメージは大きいものの、まだ立ち上がろうとしている。その執念もさることながら、怪物じみた生命力にも驚嘆する。確実に仕留めなければ、何度でも立ち上がってくるに違いない。
 カンナは引き金を引いた。
「!」
 正確な射撃が仇となった。男は首を振っただけで銃弾を避け、最後の力を振り絞って、猛然とカンナへダッシュしてきた。
「くたばりぞこないが!」
 しかし、最後のつもりだった一撃をかわされ、さすがのカンナも焦った。二射目が遅れる。
 次の刹那、銃声と共にガラスの割れる音が響いた。
 一瞬早く、男がカンナのS&Wショーティー40を上方へそらし、天井の蛍光灯を砕いたのだ。カンナと男の頭上にガラス片が降りそそぐ。
 カンナはなんとか銃口を男に向けようと抗うが、相手の力には及ばない。片手だけで利き手を封じられた。
 ならばと、カンナは右手からS&Wショーティー40を離し、左手でうまくキャッチ、相手の腹部に銃口をねじ込むようにして撃ち抜いた。男の身体が痙攣を起こしたようにはね回る。
「ぐふっ! ……ううううっ……がっ!」
 それでも男の力は衰えなかった。むしろ、カンナの腕をつかむ手に、より力が込められ、上へと吊り上げられる。わずかながらカンナの身体が持ち上がった。次の瞬間には片腕一本で、まるでゴミ袋を扱うような無造作で放り投げられた。
 ドガッ! ガラガラガラッ!
 カンナの落下地点は廊下ではなく、先程、男が逃げ込んだ教室だった。散乱した机の上に叩きつけられる。背中をしたたかに打ちつけ、手にしていた銃も弾みでどこかに飛んでしまう。
 男が悠然と教室の中に入ってきた。いや、負傷でそんな余裕はないのかも知れないが、その目はまだ生きている。カンナを殺そうという意志が宿っている。
 カンナのダメージも相当なものだったが、抵抗せねばやられてしまう。手近なイスをつかんだ。
 男が襲いかかると同時に、カンナはイスの脚を先に向け、腹部めがけて突き出した。相手の負傷箇所をえぐってやるつもりだった。だが、それは見切られていた。
 男は易々とイスの脚をつかみ、カンナの攻撃を封じてしまう。そればかりか、怪力を見せつけるかのように金属製の脚を曲げてしまった。男が凄惨な笑みを見せる。
 あっという間にイスを取り上げた男は、こともなげに投げ捨てた。イスは黒板に激突し、破壊の痕跡をありありと残す。
 それに驚嘆しているヒマなど、カンナにはなかった。男が首を絞めにかかったのだ。
「ぐっ!」
 男が本気を出せば、きっと首の骨から折られていただろう。しかし、どうやらじわじわと絞め殺すつもりらしかった。息が詰まり、顔が紅潮していくのが分かる。
 のしかかっている男に対し、手と足を総動員して抵抗するカンナだが、効果は皆無だった。武器がいる。形勢を一気に逆転できる武器が。
 だが、男の握力はカンナの意識を今しも奪おうとしていた。カンナも限界だ。このまま殺されてしまうのか。
 薄れる意識の中、カンナの手は武器になるものを求めて床面を探った。何かないのか、何か……。
「!」
 指先が何かに触れた。だが、カンナの愛銃S&Wショーティー40ではない。もっと薄いもの。これは……!?
 カンナの口が声にならない言葉を漏らした。男が気づく。
「何だ、死に際に言い残しておきたいことでもあるのか?」
 男は首を絞める手を緩め、耳をカンナの口許に近づけた。カンナがゆっくりと言う。
「あなたたち、パシフィックが培養した……“シーヴァリス”……確か即効性だったわよね?」
「何だと?」
 カンナの顔を見つめ返した男の表情が凍りついた。その首筋に……。
「そんなに“シーヴァリス”になりたかったのなら、もっと味わいなさい」
 注射器に詰め込まれた“シーヴァリス”を男に注入しながら、カンナは冷たく言い放った。カンナの手に触れたもの──それは男が自ら“シーヴァリス”になるために使用した注射器入りのプラ・ケースだった。どうやらカンナとの戦いのどさくさに落としたらしい。男が使用したのは一本だけだったが、中にはあと三本入っていたのだ。
 一本で人間を“シーヴァリス”化させる薬。だが、それを二本注入すればどうなるか。
 数瞬のタイム・ラグ、男の瞳孔は開き、顔面に血管が浮かび上がった。身体が硬直する。次の瞬間には吐血し、カンナに覆い被さるようにして絶命した。
「充分、味わった?」
 よっこらせと男の身体の下から這いずり出ながら、カンナは絞められた首をほぐすようにして吐き捨てた。
 力を欲した男の末路。それを見下ろしながら、カンナは憂いの表情を見せた。
 近くには殿村の遺体もある。
 今回も犠牲者を出す結果となってしまった。いつまでこんな戦いが続くのだろうか。いや、戦い続けねばならないのだ。でなければ、もっと多くの犠牲者が出てしまう。
「おーい、カンナ?」
 廊下から鹿島の声がかかる。恐る恐るといった感じだ。カンナの表情が剣呑なものに変わる。
「終わったわよ、まったく!」
 役立たずの相棒に悪態をつきながら、カンナは廊下へ出た。カンナが姿を見せると、鹿島も香里も安堵の表情を見せた。
「矢代くんは?」
 深刻なのは圭祐の容態だった。体中に銃弾を喰らいながら、なおも香里を助けようと無理をした圭祐。“シーヴァリス”の影響で強靭的な生命力を得てはいるものの、常人なら間違いなく死亡の深手だ。一刻も早く、オペが必要だった。
「鹿島、車を回して! 城戸倉さんは──」
「私もお手伝いします!」
 真剣な眼差しの香里に、カンナはうなずいて見せた。
 カンナと香里で半身ずつを持ち上げながら、鹿島の車に圭祐を運び込んだ。出血のひどい圭祐を運んだお陰で、カンナと香里は血だらけだ。それを厭う間もなく、車を発車させる。
「矢代くん、助かりますよね?」
 車中、心配そうに尋ねる香里に、カンナは力強く手を握り返した。
「大丈夫よ、きっと」
「先生……」
「お二人さん、ちゃんとつかまっていろよ!」
 鹿島はアクセルを目一杯に踏みながら、後部座席のカンナたちに言い放った。
 白いバンは交通法規など無視して、救急病院へと急ぐのだった。



 病院へ到着すると、カンナはドアを開けて車を降りた。目には陽光を反射させるサングラス。助手席のドアを閉めかけて、カンナは運転席の鹿島を見据えた。
 あれから一週間。ここは圭祐が入院している私大病院だ。
「どうした?」
 いぶかしげな鹿島。カンナはしばらく無言だったが、やがて思い切ったように口を開いた。
「“シーヴァリス”って言葉、どこで知ったの?」
 カンナの言葉に鹿島は表情を動かさない。もっともカンナと同じくサングラスをかけているので、内心は動揺していたかも知れないが。
「何だよ、藪から棒に。お前が言ってたんじゃないか」
 それはあらかじめ用意していた答えだったろうか。
「私の記憶が正しければ、私がそのコード・ネームを出す前に、アンタは“シーヴァリス”という単語を使っていたわ」
「そうだっけか?」
「それに、私たち<チェイサー>で使われているコード・ネームは“P−15型”のはず。それを平然とパシフィックのコード・ネームである“シーヴァリス”を用い、しかも理解していた。なぜ?」
「そりゃあ……」
「もう一つ。パシフィックは“S−08型”──つまり、パシフィックが言うところの“ディアブロ”の犠牲者が城戸倉さんだと断定していた。当然、パシフィックにも情報収集力があるのは分かっている。でも、私とアンタが完全にマークしている森里高校から、どうやって矢代くんとか殿村の情報まで得られると言うの?」
 鹿島は何度も口の中をしめらせるような素振りを見せた。
「学校内にスパイがいた、とか?」
「ある意味、正解ね。そのスパイがアンタなら、もっとつじつまが合う」
「おいおい……」
「私が屋外プールから戻る際、アンタは何をしていたの?」
「何って……」
「下手な言い訳はなしよ。助手席のシート下を見て」
 カンナに言われ、鹿島は助手席の下を覗き込んだ。何かを見つけ、取り外す。それは──
「盗聴器?」
「そうよ。悪いけど、最初から所長はアンタを疑っていたわ。これにはアンタとパシフィックの男との会話が録音されている。『これから起こることに目をつぶれ』ってね。このところパシフィックに出し抜かれるケースが多くてね、所長は内通者がいると考えていたみたい。いえ、アンタだけじゃないわ、疑われていたのは私もらしいんだけど」
「お前までが?」
「ええ。だから所長は私のムチャな追跡調査を黙認していたのよ。知らなかった? 私は薄々、勘づいていたけど」
「お前はそれを利用して、自分の捜査を続けたってワケか」
「まあね」
 鹿島の手が腰へと伸びた。とっさにカンナがS&Wショーティー40を抜く。同時に、どこに潜伏していたものか、二人の男たちが飛び出してきて、銃を構えながら鹿島の車を挟み撃ちにした。内部調査員たちだ。
「おっと、抵抗するつもりはねえよ。ただ、ミネラル・ウォーターを飲みたくなっただけだ」
 鹿島はそう言って、座席の隙間に押し込んでいたペットボトルを取り上げて見せた。おどけた仕草を見せながら、一口含む。
 カンナはそんな鹿島に対して銃を降ろしながら、疑問を口にした。
「なんでよ、鹿島……なんで……」
「お前にフラれたから……かな?」
 鹿島はそう言って笑った。



 カンナは圭祐の病室へと向かった。あの事件が起きてから圭祐と会うのは初めてである。
 圭祐は普通なら死んでもおかしくない重傷だったものの、“シーヴァリス”を体内に注入されていたために、その異常なまでの生命力で奇跡的に助かった。その影響もあって、今は順調に回復している。
 香里は“ディアブロ”の体内除去手術を受けた。放っておけば、やがて産卵の際に香里の身は危険にさらされるし、いずれにしろタイム・リミットに近かったのだ。術後の経過は良好で、圭祐と同じ病院の別室に入院中だ。すでに院内を歩き回れるまでになっていて、よく圭祐の病室に見舞いに行っているらしい。
 カンナは圭祐の病室の前に立つと、ドアをノックした。返事がない。寝ているのかと思い、そっと中に入ってみると案の定だった。しかも、オマケつきだ。
 ベッドで熟睡する圭祐の傍らに、自分の病室を抜け出してきた香里が座り、上半身を預けるように添い寝していた。その手はしっかりと圭祐の手を握りしめている。その二人の寝顔を見て、カンナは微笑んだ。
 いろいろあった三週間だった。殿村は死に、中原怜子も退院のメドは立たないが、香里と圭祐には未来がある。やり直せるだろう。それも一人じゃない。支えあえる者がいる。すでに苦難を一つ乗り越えた仲だ。この固く手を握り合った二人を見ていると、そう確信できる気がした。
 カンナは香里からずり落ちかけたカーディガンをもう一度、羽織らせてやり、持ってきた花束を空いていたイスの上に置いた。そして、投げキッスをひとつして、何も言わずに退室した。
 何となく晴れ晴れとした気持ちに鼻歌を歌いかけたカンナだったが、病院を出た途端に、携帯電話が鳴った。
「はい、一条です」
「私だ」
 所長からだった。いつも沈着冷静な人物だが、心なしか慌てた様子が窺える。
「鹿島が逃げた」
「え?」
 話を聞くと、どうやら格闘訓練をしていない鹿島を内部調査員たちが侮ったらしく、一瞬の隙を突かれて、殴り倒されたらしい。いくら鹿島が訓練を受けていないと言っても、あの立派な体躯である。純粋なパワーだけなら内部調査員の比ではない。
 カンナは大きくため息をつくと、受話器から耳を離した。
 鹿島がどこへ逃げようと知ったことではない。そんなことは些細なことに思えた。
 頭上には澄み切った青空が広がっている。風は涼やかだ。もう不快な湿気が身体にまとわりつくこともない。夏は終わったのだ。
 まだ、電話では所長が何かを言っているようだったが、カンナは電源ごと切った。
 そして歩き出す。
 秋空は全てを包み込むように、どこまでもどこまでも続いていた。

<完>



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